宅建士試験の勉強方法(宅建業法)|宅地建物取引業法の目的と本質

宅建士試験の勉強方法、宅建業法の目的と本質について紹介します。

福岡の不動産鑑定士、宅建士、不動産オトンコンサルティング福岡の片江宏典です。

目次

1.宅建業法の目的
2.宅建業法の本質
3.暗記事項と本質との関係
4.宅建士試験の合格を目指されている皆さまへ

1.宅建業法の目的

宅地建物取引業法第一条にはこのように記載されています。

この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。

つまり

「宅建業者の免許制度と規制、適正な運営と取引の公正を定めることによって宅建業を健全に発達させ、購入者等の保護と流通の円滑化をすること」

が目的とされています。

保護の対象が「購入者等」となっている点が特に重要で、売主が宅建業者である場合には保護されないことをここで暗に示しています。

2.宅建業法の本質

上記で暗示されている通り、宅建業法の本質は

「一般市民である購入者等と宅建業者等との情報格差を埋めて消費者を保護すること」

です。

つまり、宅建業者及び宅建士と一般の購入者等とでは不動産についての知識や経験に大きく差があり、宅建業者及び宅建士をしっかりと規制して、一般の購入者等が不利になる可能性を排除することを本質としているのです。

「情報格差を埋める」

この本質を知っていれば宅建業法の各論点についてスムーズに理解できます。

3.暗記事項と本質との関係

例えば「免許がなくても宅建業を営める者」がいます。

これは情報格差があったとしても、他の法律等によって十分に規制されていることから安全であるとされている者ということです。

・国、地方公共団体、都市再生機構、地方住宅供給公社・・・宅建業法の規定が一切適用されない。
憲法第17条には、「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」と記載されており、国家賠償法、行政不服審査法、行政事件訴訟法という「救済三法」があり、賠償の資金も潤沢にあることから国民の利益が守られているからです。

・信託会社、信託銀行・・・届出のみで国交省免許とみなされる。その他宅建業法は全て適用。
「信託業法」によって、宅建業者と比較して設立や監督において非常に厳しく規制されており、免許については届出のみでよいとされています。こちらも賠償資金を豊富に有しており、資産運用が目的で仲介手数料等の獲得が目的ではないことから、この部分については情報格差があっても安全なのです。

・破産管財人(弁護士)・・・破産財産の換価のために自ら売主として売却する場合は免許不要。業として営む場合は免許必要。
破産管財人は、破産した債務者の財産を管理し、債権者に分配します。また、破産管財人は、裁判所の監督を受けており、仲介手数料等の獲得が目的ではないことから情報格差があっても安全ということで免許は不要なのです。
ただし、破産管財人でも、自ら売主となり、宅地又は建物の売却を反復継続して行う場合に、その媒介を業として営む者は、宅建業の免許が必要です。業としてというところに情報格差が生じてはいけないラインがあります。

これらを丸暗記するのではなく、情報格差があっても安全な者ということをイメージしながら覚えているとうろ覚えでも正解にたどり着くことができます。

4.宅建士試験の合格を目指されている皆さまへ

宅建士試験の合格を目指されている皆さまには、本質と暗記を相互に行き来しながら勉強に取り組んでいただければと思います。

将来実務に取り組む際、本質を知っていることがお客様からの信頼を得る一助となります。

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