宅建士試験の勉強方法(法令上の制限)|建築基準法の目的と本質
宅建士試験の勉強方法、法令上の制限のうち、建築基準法の目的と本質について紹介します。
福岡の不動産鑑定士、宅建士、不動産オトンコンサルティング福岡の片江宏典です。
目次
1.建築基準法の目的
2.建築基準法の本質
3.暗記事項と本質との関係
①接道義務とは
②消防活動に最低限必要な幅を考える
③例外規定と本質
a.例外1(6m道路)
b.例外2(空地)
4.宅建士試験の合格を目指されている皆さまへ
1.建築基準法の目的
建築基準法第一条には、
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
と記載されています。
つまり「建築に関して命を守るための最低限の基準」を定めた法律であるということです。
2.建築基準法の本質
では本質についても考えてみます。
基本的人権上、命は当然に守られなければなりません。
その他、健康や財産も守られなければなりません。
建物を建てる場合には様々な事情や計画があり、一定の基準がなければ人間の命を脅かす可能性が生じます。
つまり本質は、上記にもあるように”最低限の”というところなのです。
「これだけは最低でも守りなさい、それが建物を建築する者の責任です」ということです。
命と直結する法律であるからこそ、毅然とした姿勢を感じます。
ただ厳しくしすぎても社会の発展につながらないので、ギリギリの最低限のラインを規定しているのです。
3.暗記事項と本質との関係
ここでは接道義務について本質との関係を見ていきます。
①接道義務とは
接道義務とは・・・敷地に建築物を建てる場合、原則として幅員4m以上の道に敷地が2m以上接しなければならない
ではなぜ命を守るためにこの道路幅員と間口が必要なのでしょうか?
これは火事の場合等、消防車が敷地にアクセスできるか?消防隊員が建物にアクセスできるか?ということを示しています。
②消防活動に最低限必要な幅を考える
消防車の幅は小型・大型で違いますが、概ね2~2.5m程度です。
曲がり角等において旋回する際にはよりスペースが必要となることから、”最低でも”4mはないと火事の現場にたどり着けないのです。
また、成人男性の肩幅は概ね40cm弱です。
大きなボンベを背負ったり、放水のための設備を抱えたりしながら敷地内を進んで建物までたどり着けなければなりません。
大人数で消火にあたる場合は双方向に行き来する必要もあります。
つまり最低でも間口が2mないとスムーズな消火活動ができないということなのです。(最低限)
③例外規定と本質
a.例外1(6m道路)
さて、例外規定では、特定行政庁がその地方の機構・風土の特殊性、土地の状況により必要と認めた場合、都道府県都市計画審議会の議を経た上で、「道路」と扱うために必要な幅員を6m以上と定めることができます。
これは豪雪地帯に多いのですが、除雪の際、排雪・堆雪のスペースが必要となります。
この部分として基本の4mに2mを加えて6mとすることで消防活動に支障がないようにできるのです。(最低限)
b.例外2(空地)
さらに例外規定で、敷地の周辺に広い空地を有する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可したものは接道義務を満たしていなくても建物の建設が可能となります。
周りに広い空地があれば、前面道路が狭くても消防車がアクセスできることがあるからです。
しかし、これは個別の状況を総合的に見て、慎重に判断しなければなりません。
従って、建築審査会の同意が必要ということになっているのです。(最低限)
4.宅建士試験の合格を目指されている皆さまへ
宅建士試験の合格を目指して勉強中の皆さまには、常に本質を意識しながら暗記していただければと思います。
将来お客様に説明する際、この本質の部分をお伝えすることでお客様から信頼を得る一助となります。
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