宅建士試験の勉強方法(民法・権利関係)|借地借家法の目的と本質

ここでは宅建士試験の勉強方法、民法と権利関係のうち、借地借家法の目的と本質を紹介します。

福岡の不動産鑑定士、宅建士、不動産オトンコンサルティング福岡の片江宏典です。

目次
1.借地借家法制定の経緯
2.借地借家法の目的
3.借地借家法の本質
4.暗記事項と本質の関係
5.宅建士試験の合格を目指される皆さまへ

1.借地借家法制定の経緯

借地借家法は、平成3年10月4日に成立、平成4年8月1日から施行された法律です。

建物保護ニ関スル法律、借地法、借家法という3つの法律(特別法)に分かれ複雑になっていた状況を統合し、これらに代わるものとして制定されました。

宅建士試験の民法・権利関係|民法の目的と本質 (oton.jp)でも紹介しましたが、借地借家法は特別法であることから民法の土台の上に立ち、民法に優先して適用されます。

また、旧借地法の下での契約については旧借地法が適用されることから、借地借家法と対比させて覚えておく必要があります。

2.借地借家法の目的

旧借地法の特徴は、「借地人は半永久的に土地を借り続けることができる」ことです。

旧借地法の下では、「土地は一度貸したら永久に返ってこない」という状況であったため、遊休地の活用がなかなか進まない状況がありました。

借地借家法は弱くなっていた地主の権利を回復させ、遊休地の賃貸借を促進することを目的としています。

借地借家法によって「定期借地権」が新設され、一定の期間を経れば土地が地主へと戻る仕組みができました。

3.借地借家法の本質

借地借家法は、平成11年と平成19年に2度改正されています。

平成11年の改正では、定期借家の規定が新設されました。

これは建物の賃貸借に関して賃借人の権利が強くなりすぎていたため、建物の賃貸借の促進を目的としたものです。

平成19年の改正では、事業用定期借地権の存続期間の上限が緩和されました。

10年以上20年以下から最長50年未満へと延長されており、これは賃借人の権利を拡大するものです。

このような経緯をふまえると借地借家法は当初より「賃貸人と賃借人の関係を適正化し、賃貸借市場の活性化」をさせようとしていることがわかると思います。

これが借地借家法の本質です。

4.暗記事項と本質の関係

定期借地権の存続期間を見てみます。

一般定期借地権・・・50年以上(何に使ってもいいが存続期間を50年以上にするものを一般定期借地権とした)

事業用定期借地権・・・10年以上30年未満、30年以上50年未満の2種(専ら事業の用に供する場合の定期借地権、事業には様々あり存続期間の設定を比較的自由にできるように設定)

建物譲渡特約付借地権・・・30年以上(契約期間満了時に借地権者の建物を地主が買い取ることで借地権が消滅、建物をまだまだ利用できる時点での譲渡を想定して30年以上と設定)

契約当事者の都合によってこれらの定期借地権の種類を選べることで「賃貸人と賃借人の関係が適正化され、土地の賃貸借契約が促進」されます。

数字を覚えるのは大変ですが、「賃貸人と賃借人の関係の適正化、土地の賃貸借契約を促進」という本質から、それぞれの数字までたどれば自然と覚えられるのではないでしょうか?

5.宅建士試験の合格を目指されている皆さまへ

宅建士試験の合格を目指して勉強中の皆さまには、本質を理解した上で暗記に取り組んでいただければと思います。

将来お客様に説明する際、この本質の部分をしっかりとお伝えすることでお客様にとっては本当に価値のある情報となります。

宅建士試験の勉強法として、法律の目的から本質をつかみ、記憶に繋げていくテキストを販売します。

試験直前の総復習にも使えるテキストです。

詳細は下記をご確認ください。

宅建士試験合格方法|試験の“本質”を知って75歳の父も合格!不動産鑑定士がつくった宅建士勉強法(令和4年宅建士試験対応) (oton.jp

あなたの宅建士試験合格を応援しています。