平和の尊さを語る「じゅうご地蔵尊」
福岡市西区の不動産会社、(株)不動産オトンコンサルティング福岡の片江宏典です。
2025年元旦、今宿周辺を散歩する中で、栄昌寺を訪れました。
新しい年の始まりに、地元のことをもっと知りたいという気持ちからの各所への散策の途中でした。
静かな境内に足を踏み入れると、目に留まったのは「じゅうご地蔵尊」と呼ばれるお地蔵様。
そこに刻まれた物語は、想像を超えるほどの重さと悲しみに満ちたものでした。
石碑には、福博大空襲の際の惨劇が記されていました。
避難所として使われた、元十五銀行ビル(現:博多リバレイン・博多座)の地下室に逃げ込んだ人々が、シャッターの開閉ができずに高温となり、炎熱の地獄と化して閉じ込められた場所で命を落とされたこと。
その後、亡くなった63名の方々の供養と平和への祈りを込めてお地蔵様が建立されたこと。
その文字を追うたび、胸が締め付けられるような思いに駆られました。
「じゅうご地蔵尊」の名には、「十五」ビルの名だけでなく、「銃後」そして「自由御」地蔵、3つの言葉が祈りの心として込められているそうです。
その説明を読み、私はふと立ち尽くしました。
「自由」という言葉が、これほど重く、深い意味を持つのだと感じたからです。
私たちが生きる現代は、悲劇の時代から平和を紡ぎ出してきた無数の努力の上に成り立っています。
それを当たり前のものと思うのではなく、「自由」の意味を胸に刻み、その恩恵に感謝しながら生きること。
それが、未来を担う子どもたちへの責任ではないかと思いました。
境内で立ち止まり、静かに手を合わせながら考えました。
戦争によって命を奪われた人々の無念を思うと同時に、家族や地域、そして世界の平和を守るために何ができるのか。
普段、家族や地域に根差した活動をしている私ですが、もっと広い視点で大切なことを伝えられるのではないかと、そんな想いが心に湧き上がりました。
新しい一年の始まりに、「平和」と「自由」を守ることへの責任を心に刻む時間となりました。
このお地蔵様が語り続ける祈りを、次の世代へと紡ぐ一人でありたいと願っています。
